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共有名義の固定資産税は誰が払う?立て替えた分の請求方法

共有名義の不動産の固定資産税は、共有者全員が連帯して払う義務を負います。納税通知書は代表者1人にまとめて届くため、「自分だけが毎年払っている」という状態になりがちです。この記事では、税金の負担の決まり方、立て替えた分を取り戻す方法、負担そのものから抜け出す選択肢を順に解説します。

固定資産税は共有者全員の連帯責任

共有の不動産の固定資産税は、地方税法第10条の2により、共有者全員が連帯して納める義務があります。市区町村から見ると、誰か1人から全額を受け取れればよい、という扱いです。

項目 内容
払う義務がある人 1月1日時点で登記簿に載っている共有者全員
市区町村への責任 全員が全額について連帯して負う
共有者どうしの負担割合 持分の割合に応じて負担する(民法第253条)
納税通知書が届く人 代表者1人(「〇〇 外〇名」の宛名で届く)

代表者は、持分が多い人、その市区町村に住んでいる人、登記の順番が早い人、の順で決める自治体が多くあります。熊本市はこの順序を公表しています。

出典:熊本市「固定資産税の納税義務者」

代表者になったら知っておくこと

1. 払わないと代表者以外にも督促が行く

連帯責任なので、代表者が払わなければ、他の共有者にも督促や差押えの手続きが及ぶことがあります。「代表者が払うものだから自分には関係ない」とは言えません。

2. 代表者は変更できる

多くの自治体で「共有代表者変更届」を出せば、納税通知書の送り先を変えられます。持分の多い人に代わってもらうなど、話し合いのきっかけにもなります。

3. 持分ごとに分けて払える自治体もある

共有者全員が同意していれば、持分ごとに納付書を分けてくれる自治体もあります。浦添市などが実施しています。住んでいる自治体の資産税の窓口で確認してください。

出典:浦添市「共有者の分割納付について」

立て替えた分を請求する方法

代表者として全額を払った場合、他の共有者に持分の割合で請求できます。これを「求償」といいます。

全体の税額が年24万円で、自分の持分が2分の1、他の2人が4分の1ずつの場合はこうなります。

共有者 持分 負担すべき額 代表者が請求できる額
自分(代表者) 1/2 12万円 —
兄 1/4 6万円 6万円
妹 1/4 6万円 6万円

請求は次の順で進めるのが一般的です。

  1. 納税通知書と領収書の写しを添えて、金額と根拠を書面で伝える
  2. 払ってもらえなければ、内容証明郵便で請求する
  3. それでも払われなければ、少額訴訟(60万円以下)や通常の訴訟で請求する

立て替えた分を請求する権利は、何年も放っておくと時効で消えることがあります。毎年、その年の分を請求しておくのが安全です。

立て替えが1年以上続いたときの選択肢

民法第253条第2項では、共有者が1年以内に負担を果たさないときは、他の共有者が相当の償金を払ってその人の持分を取得できる、と定めています。払わない共有者の持分を買い取って、共有を解消する手段になります。

ただし、価格の決め方や手続きで揉めやすいため、実際に使う場合は弁護士に相談してください。

負担から抜け出す4つの方法

固定資産税は、共有名義が続く限り毎年かかります。根本的に解決するには、共有の状態をやめることです。

方法 同意 向いている人
全員で家全体を売る 全員の同意が必要 全員が手放してよいと考えている
他の共有者に持分を売る 買う人の同意が必要 住み続けたい共有者がいる
自分の持分を買取業者に売る 不要 話し合いがつかない・早く抜けたい
持分を放棄する 不要(登記は協力が必要) 価値が低く、売れる見込みがない

持分の放棄については、共有持分の放棄の記事で手続きと注意点を解説しています。持分の売却については、共有持分とは?自分の持分だけ売れるのかと売却相場の記事を参考にしてください。

まとめ

  • 共有名義の固定資産税は、共有者全員が連帯して払う義務がある
  • 共有者どうしでは、持分の割合で負担する
  • 代表者が立て替えた分は、他の共有者に請求できる。毎年請求しておくのが安全
  • 負担を根本的になくすには、売却や放棄で共有の状態から抜けるしかない

税額や手続きは自治体によって異なります。具体的な判断は、自治体の窓口や税理士・弁護士に確認してください。