共有持分を買取業者に売る場合、価格は「不動産全体の相場 × 持分の割合」の3〜5割程度が目安です。他の共有者に売るなら、8〜10割程度まで上がることがあります。この記事では、差が出る理由と、少しでも高く売るための進め方を解説します。
売却先ごとの相場
全体3,000万円の家で、持分が3分の1の場合を例にします。持分の本来の価値は1,000万円です。
| 売却先 | 相場の目安 | この例での価格 |
|---|---|---|
| 他の共有者 | 持分の価値の80〜100% | 800〜1,000万円 |
| 買取業者・投資家 | 持分の価値の30〜50% | 300〜500万円 |
| 全員で家全体を売却 | 通常の相場で売れ、持分で分ける | 約1,000万円(経費は別) |
出典:c-realestate「共有持分の売却相場はいくら?」。実際の価格は物件ごとに大きく違います。
一番高く売れるのは、全員で家全体を売る方法です。ただし、全員の同意が必要です。同意が取れないからこそ、持分だけの売却を考える人が多いのが実情です。
買取業者だと安くなる3つの理由
1. 買ってもすぐには使えない
持分を買った業者も、その家を単独で売ったり貸したりはできません。利益を出すには、残りの共有者との話し合いが必要です。
2. 解決までに時間と費用がかかる
業者は買った後、他の共有者に持分の売買を持ちかけたり、共有物分割請求を起こしたりします。数か月から数年かかることもあり、弁護士費用もかかります。その分が買取価格から差し引かれます。
3. うまくいかないリスクを負う
他の共有者が交渉に応じない、物件の市場価格が下がるなど、想定どおりに進まないこともあります。業者はそのリスクも含めて価格を決めます。
つまり安さは、「何年もかかるかもしれない交渉を代わりに引き受けてもらう対価」と考えると分かりやすいです。
価格を左右する要素
- 物件の立地と種類:都市部の住宅や賃貸物件は高くなりやすく、地方の空き家や山林は低くなりやすい
- 持分の割合:割合が大きいほど、交渉で有利になりやすい
- 他の共有者の状況:人数が多い、連絡が取れない人がいると低くなりやすい
- 誰かが住んでいるか:共有者が住んでいると、その人が買い手候補になるため評価が変わる
- 賃料収入の有無:家賃が入る物件は、持分に応じた収入が見込める
少しでも高く売るための進め方
- まず他の共有者に買い取りを打診する。応じれば、業者より高く売れる可能性がある
- 全員での売却が本当に無理かを確かめる
- 買取業者は3社以上に査定を依頼し、価格を比べる
- 査定額の根拠(全体の評価額、割引の理由)を説明してもらう
- 契約前に、費用の負担や減額の条件を書面で確認する
業者の選び方は「共有持分の買取業者の選び方」で詳しくまとめています。
売却にかかる費用と税金
- 仲介手数料:買取業者に直接売る場合はかからない。仲介を使う場合はかかる
- 登記の費用・印紙税:契約内容によって変わる
- 譲渡所得税・住民税:売って利益が出たらかかる。所有期間5年超は合計20.315%、5年以下は39.63%が基本。相続した物件は、親が持っていた期間も含めて数える
住んでいた家など、条件を満たせば使える特例もあります。具体的な税額は、税理士か税務署に確認してください。
まとめ
- 買取業者への売却は、持分の価値の3〜5割が目安
- 安いのは、業者がその後の交渉とリスクを引き受けるから
- 先に他の共有者への売却を検討し、業者は3社以上で比べる
参考:c-realestate「共有持分の売却相場はいくら?」、c21-motibun.jp「共有持分の売却相場はいくら?」